USB3.0についての話
USB3.0を搭載するPCと周辺機器が増えて来たので、今回はUSB
3.0について書きます。
(2012/6/21時点公開)
各チップセットとドライバについて↓から
【USB3.0のコントローラ及びドライバについて】
【USB3.0の特徴】
【転送速度】
USB3.0はUSB2.0 480Mbps(60MB/秒)(注:理論値)よりも10
倍速い5Gbps(625MB/秒)(注:理論値)でデータを転送出来ます。
【バスパワー】
USB2.0の時は500mAまでしか電力供給が出来ませんでしたが、
USB3.0からは900mAまで供給出来るようになりました。
(USB3.0対応機器を3.0専用USBケーブルで3.0専用USBポート
に繋いだ時のみ900mAで供給)
【互換性】
USB2.0、1.1、1.0の機器をさしても動作します。
(但しチップによっては互換性に問題が出る事があります)
尚下位の機器を挿すと、機器に対応した速度で転送します。

(2021/1/5追記)
表を修正しました。
現在USB3.0は命名が変わっており、以下の様に3種の呼び方で表
記されているので注意が必要です。
USB 3.0 ⇔ USB 3.1 Gen1 ⇔ USB 3.2 Gen1
後、USB 3.2 Gen2 x2の策定時にUSB 3.0のコントローラから2
ポート分をType-Cの24ピンに接続して転送量を2倍にしたUSB 3
.2 Gen1 x2と言う規格も出ているので表に載せました。
但し、現在対応しているMBが無いと思われるので、気にする必要
はないかもしれません。
(2013/1/5追記)
上記の説明はUSB3.0のポートに2.0以下の機器を挿した時に出せ
る速度の話ですが、
逆にUSB3.0の機器を下位のUSB2.0以下の規格のポートに挿した
時も同じく下位の規格の速度でしか動作しません。
【USBポート及び専用コード】

画像の左はUSB2.0のポートで、右のUSB3.0のポートは判別し易
い様に「青色」になっています。
(2014/10/30追記)
どうやらUSB2.0でもポートを青色にしている紛らわしいPCケー
スがある様なので、金属端子の本数で確認して下さい。
画像を見れば直ぐに分りますが2.0は4ピン、3.0は9ピンです。

また、USB3.0対応コードも、判別しやすく「青色」になってい
ます。
【注意点】
【ドライバが入っていないと動かない】
ノートPCやBTO等のすぐに使用出来るPCの場合は問題ないので
すが、
自作PCでUSB3.0搭載のMBを使用したり、USB3.0ボードを増設
した時にドライバを入れないと動作しない(下位互換も無し)為、
ドライバを入れる前に接続しても機器が動きません。
(Windows 7にUSB3.0用の汎用ドライバが入っていない為)
自作PCの初期セットアップ時は必ずUSB2.0の方へ挿しましょう。
(2019/11/6追記)
もう一つの記事には書いてありますが、Windows 8.1、10はMS
の汎用ドライバを使用する事が前提に代わっているので、別途ド
ライバを入れる必要は無くなっています。
寧ろ7や8.0用のドライバを入れると認識がおかしくなることがあ
るので入れてはいけません。
(2017/6/21追記)
Ryzen用の300シリーズ、Intelの100及び200シリーズのチップ
セットのMBで7をインストールする場合は、
予めMBメーカーが用意した7用のUSBインストールメディアを作
るツールでインストールメディアを作っておいて下さい。
PS/2で接続してOSのインストールの画面まで行けても、ドライ
バを要求されて詰みますので。
詳しくは【新プラットフォームにWindows 7をインストールする
方法】へ
(2015/12/4追記)
Intelの100シリーズチップセットですが、どうやらUSB2.0のコ
ントローラを廃止してUSB3.0のコントローラのみにしていた様
です。
Windows8以降は3.0の汎用ドライバが存在しているので問題な
いのですが、7以前は上記した様にドライバが無いのでOSインス
トール時にマウスやキーボードが反応しません。
(USB2.0のポートもコントローラはUSB3.0用なので)
そのままではインストール不可能なので、自主的にドライバを当
てたインストールディスクを作るか、MBによってはBIOSのOSの
設定にWindows7のインストール時に動作せられる様にする為の
設定があるのでそれを利用して下さい。
(2013/7/29追記)
Windows8からUSB3.0の汎用ドライバが入りましたが、あくま
でも最低限動作させる為のドライバでしか無い為、必ず機器が動
作するとは限りません。
(2.0の機器が動かない可能性有)
8でも初期セットアップ時はUSB2.0方に挿してください。
【外部チップや増設ボードの速度】
基本的にチップセットにUSB3.0のコントローラが内蔵されたもの
より速度は出ません。
【互換性問題】
一応下位互換はありますが、チップやUSBコントローラの質によ
っては動かない事もあるので注意が必要です。
【Intelチップセットの問題】
7シリーズチップセットからUSB3.0にチップセットで対応しまし
たが、設計の問題で不具合が多く出ている為、出来るだけUSB3.0
に対応した機器のみ使用してください。
↓の17ページ以降
Intel® 7 Series / C216 Chipset Family Platform Controll
er Hub (PCH) Family
(2013/6/4追記)
6/2に第4世代のCore iシリーズの発売と共にIntel 8シリーズチ
ップセットを搭載されたMBも発売されました。
販売前の事前情報にもありましたが、USB3.0に機器を挿した状
態でスリープ状態にすると、復帰時に機器の読み込みに失敗する
不具合がある様なので、気をつけてください。
尚、これは次のC2ステッピングで修整予定と言う事なのでステッ
ピングが変わるまで待つか、スリープを使わな無ければ問題ない
のですが、
問題は、USB3.0に下位の機器を挿した時に出る不具合や其の他
諸々の不具合が修整されていません。
というか修整する予定もないようです。
7シリーズチップセットに引き続き、できるだけUSB3.0の機器の
みを利用する様にしてください
↓の10ページ以降
Intel® 8/C220 Series Chipset Platform Controller Hub
(2014/2/19追記)
昨年の10月後半の時点でC2ステッピングのチップセット搭載のM
Bが出始めていたようです。

パーツ店が競合する場所で確認してきましたが、ASUSのMBだけ
しか上の様なシールでのC2の記載が確認出来ませんでしたので、
現状でも混在している可能性があります。
店員に確認してから購入してください。
(2014/5/19追記)
Haswell refreshと共に9シリーズチップセットが搭載されたM
Bが発売されました。
開発を2チームに分けて交互に開発する事で短期に新商品を出して
いる都合上、回路設計を使いまわす事になるのでわ
かりきっていた事ですが、
8シリーズチップセットの修正予定の無かったエラッタが全て受け
継がれています。
更に、USB3.0をHUBで分割した時に、割り込み処理が出来るUS
B1.1の速度の機器(マウスやキーボード)と識別子のデータ量が大
きい動画や音楽を再生する機器を同時に繋ぎ、
再生中にキーボードやマウスで入力すると、パケットが消失して
音が飛んだり画像が飛ぶ不具合が明記されました。
USB3.0でHUBを使う時は入力機器を接続しないようにして下
さい。
(2015/4/4追記)
USB3.0のポートにUSB2.0の機器を接続した時に、認識失敗をす
るとUSB3.0のポート全てが使用不能になる不具合が追加されてい
ました。
USB3.0のポートが反応しなくなった場合は再起動して下さい。
尚、再起動でも直らない場合はCMOSをクリアしてBIOSの設定を
初期化するか、BIOSを更新してください。
↓の10ページ以降
Intel® 9 Series Chipset FamilyPlatform Controller Hub
(PCH)
(2015/8/19追記)
Skylake用の100シリーズチップセットが搭載されたMBが発売さ
れました。
大幅に設計を改善した様ですが、USB3.0のコントローラについて
は減って新たに増えた項目も含めると3つしか減っていま
せん。
バスパワーの電源管理辺りで省電力(D3)の設定が読み込めなくな
る不具合もある様なので、バスパワーの機器だと気
にしておいた方がいいかもしれません。
いまだ不具合が多いのでUSB3.0の機器だけを使用した方が良いで
すね。
↓の7ページ以降
Intel® 100 Series Chipset FamilyPlatform Controller Hu
b (PCH)
(2017/11/8修正)
Kabylakeと共に200シリーズチップセット搭載のMBが発売され
ました。
基本的に100シリーズの微改良でしかないので、USB関連のエラ
ッタもそのままです。
Xシリーズ用のチップセットのX299ですが、技術情報に追加表
記になっているので、200シリーズを流用した物の様です。
新しい300シリーズチップセットのZ370ですが、200シリーズの
リネームなので、全く同じものです。
↓の7ページ以降
Intel® 200 Series Chipset Family PCH Spec Update
(2017/3/26追記)
ウルトラハイエンド用のX99チップセットもUSB3.0のコントロ
ーラが搭載されていたので追記します。
基本的には9シリーズと同じ問題を抱えていますが、ウルトラハイ
エンド向け専用なので、特有の問題もある様です。
↓の6ページ以降
Intel C610 Series Chipset and Intel X99 Chipset Platfor
m Controller Hub (PCH)
(2018/10/4追記)
リネームではない300シリーズが出てから半年近く経ってやっと
データシートが公表されました。
下位互換性については今の所リストに無いですが、機器の接続と
取り外しの時に発生するコントローラのリセットの一部でOSがフ
リーズするエラッタがある様なので注意して下さい。
重大なエラッタが半年~2年で追加される可能性があるので、定期
的に見に行った方がよいですね。
↓の6ページ以降
Intel® 300 Series and Intel® C240Series Chipset Famili
es PlatformController Hub
(2021/1/23追記)
400シリーズチップセットが出てから半年以上たっているのに検
索に引っ掛からないと思ったら、ダウンロードでのみ配布に切り
替えて検索に掛からない様にしていました。
Intel® Z490 Chipsetの左の項目のTechnical Documentatio
nを開いたらDatasheets and Specifications (3)をクリックし
てIntel® 400 Series Chipset Family Platform Controller
Hub (PCH) Specification Updateをダウンロードして下さい。
USBは音楽機器からデータを転送する時一定時間内に安定したデ
ータ量を転送出来る様にアイソクロナス転送と言う転送方式でデ
ータを送るのですが、
どうやらUSB2.0の機器をUSB3.0(USB3.1 Gen1 or USB3.2
Gen1)のコントローラ下にあるポートに接続した時に、同コント
ローラ下に他の機器(入力機器等)を接続して同方向に通信を送る
と、アイソクロナス転送を失敗するエラッタがある様です。
簡単に言うと、外付け光学ドライブでCDを読み込んで音楽を聴い
ている時にマウスやキーボードで割り込みを掛けると時間当たり
の転送が狂って正常に再生されず、入力したタイミングで音が飛
ぶことがあると言った感じです。
機器の認識が飛ぶエラッタではないですが、同時接続時のエラッ
タが残ったままですね。
USB3.0でデータ転送する時にコントローラにソフトウェアがコン
トローラのレジスタに1秒間アクセスするとシステム(OS)がフリ
ーズするエラッタがある様です。
何らかの外部機器を接続してツールを使ってデータ転送をしよう
とした時にフリーズした場合このエラッタに引っ掛かっている可
能性があるので、ツールの作成元か外部機器のメーカーに連絡し
て下さい。
ノートPCの一部でType-Cにアダプターを刺して充電するタイプ
の物がありますが、スリープ状態でアダプターを刺した時にPD(P
ower Delivery)の機能と競合を起こしてOSがフリーズするエラ
ッタがある様です。
スリープ時にアダプターを刺したら通常状態に復帰しない場合は
このエラッタでフリーズしている可能性があるので、スリープす
る時はアダプタを外しておいた方が良いかもしれません。
(2021/2/11追記)
H410とB460が22nmで過去のチップセットのリブランドと判明し
ました。
データシートも別になるので、Intel® Core™ Processors Techn
ical Resourcesの10th Generation Intel® Core™ Processor
Family下にあるIntel® B460 and H410 Chipset Platform Co
ntroller Hub (PCH)の中のSpecification updateを選択して確認
して下さい。
(2021/2/20追記)
久しぶりに直ぐにデータシートが出ていたのでIntel® Core™ Pr
ocessors Technical Resourcesの11th Generation Intel®
Core™ Processor Family下にあるIntel® 500 series chipse
t family on-package Platform Controller Hub (PCH)の中
のSpecification updateを選択して確認して下さい。
現状は400シリーズとErattaは略変わりませんが、後々増えると
思われます。
【現状USB3.0に対応しているPCと機器】
【対応しているPC】
【Intel】
第3~第10世代のCoreプロセッサが搭載されていて、チップセッ
トが7、8、9、100、200、300、400シリーズの物と、ウルト
ラハイエンド用のX99ならネイティブにUSB3.0に対応しています。
尚、PCベンダが意図的に下位のチップセットを使っている時や第
2世代Coreプロセッサの2xxx番台の物は、USB3.0にネイティ
ブに対応していません。
MBベンダが独自に外部チップを搭載して対応しているので注意が
必要です。
【AMD】
APUのAシリーズが搭載されていて、チップセットがA88X、A85
X、A78、A75(デスクトップ)かA70M(ノート)ならネイティブに
USB3.0に対応しています。
(2017/3/4追記)
Ryzenと共に発売されたAM4のMBについてるチップセットのX3
70、B350と今後発売されるA320もネイティブ対応になりました。
尚今回からRyzen CPU自体にもUSB3.0のコントローラが搭載さ
れている様です。
(2021/1/23追記修正)
X470、B450、X570、B550もネイティブです。
AM3+のMBやチップセットがA55やA50Mの場合はMBメーカー
が独自に外部チップを搭載して対応したものです。
どちらにも言える事ですが、USB3.0を使いたい場合は必ず仕様
を確認してから購入してください。
【USB3.0の周辺機器】
【USBメモリ】
↓の様なUSB3.0(セキュリティロック付)に対応した物があります。
グリーンハウス USB Type-A microUSB USB Type-C 3種の USB端子 に対応した3in1 USBメモリー 最大読み込み速度200MB/s 16GB (2017/10/23) グリーンハウス |
Transcend USBメモリ MLC採用 16GB USB3.1 & USB 3.0 キャップレス シルバー 耐衝撃 防滴 防塵 2年保証 TS16GJF720S (2017/2/2) トランセンドジャパン |
【カードリーダー】
↓の様なSDカード等を読み取る機器にUSB3.0に対応した物があ
ります。
サンワサプライ USB3.0 カードリーダー ADR-3ML35BK (2015/2/13) サンワサプライ |
I-O DATA UHS-II対応 USB 3.0接続マルチメモリカードリーダー・ライター US3-U2RW/B (2015/1/14) アイ・オー・データ |
【外付けストレージ】
↓の様な外付けHDDやSSDにUSB3.0に対応した物があります。
Transcend USB3.0 2.5インチ スリムポータブルHDD 耐衝撃 M3シリーズ ミリタリーグリーン 2TB 3年保証 TS2TSJ25M3G (2018/2/5) トランセンドジャパン |
BUFFALO ICカードロック解除対応MILスペック耐衝撃ボディー防滴・防塵ポータブルHDD 1TB ブラック HD-PZN1.0U3-B (2015/2/13) バッファロー |
BUFFALO 高速・薄型 USB3.1(Gen2) ポータブルSSD 240GB ブラック SSD-PUS240U3-B (2016/10/27) バッファロー |
【外付け光学ドライブ】
↓の様なUSB3.0に対応した外付け光学ドライブがあります。
【LBD-PMF6U3HBKW】
パイオニア USB3.0対応 ポータブルBDドライブ(ブラック) BDR-XD07BK (2017/12/8) Pioneer |
ロジテック ブルーレイドライブ 外付け Blu-ray UHDBD USB3.0対応 再生 編集 書込ソフト付 ブラック LBD-PVA6U3VBK (2017/11/13) Logitec |
【外付け変換用ケース及びケーブル】
↓の様に内蔵用のストレージや光学ドライブをUSB変換する為の
ケースやケーブルに、USB3.0対応のものがあります。
玄人志向 3.5インチHDDケース USB3.1 Gen2対応 GW3.5FST-SU3.1 (2015/4/8) 玄人志向 |
【ストレージ、光学ドライブ共に接続できる変換ケーブル】
サンワサプライ IDE/SATA-USB3.0変換ケーブル USB-CVIDE6 (2015/2/13) サンワサプライ |
今の所対応している機器はこの程度ですが、少しずつ対応した物
が増えて行きますので、出来るだけ搭載された物を購入しまし
ょう。
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【USB4 Version 2.0について】
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