ケーブル脱着式ヘッドホンのジャックの修理のしかた
有線のイヤホンやヘッドホンは故障する箇所の大半がケーブルだ
ったりしますが、ケーブル脱着式のヘッドフォンの場合、ヘッド
ホン側のジャックが故障する事があります。
今回はケーブル脱着式ヘッドフォンのジャック修理について一例
を出します。
【ケーブル脱着式ヘッドホンの故障個所】
有線イヤホンやヘッドホンで一番故障する可能性がある個所は、
上記した様にケーブルの接続端子の付け根や本体部分の付け根だ
ったりするので、耐久度と保守性を考えてケーブル脱着式のヘッ
ドフォンを選択していましたが、
純正ではないケーブルの接続端子の接続感やケーブルが引っ掛か
った時の負荷がジャックの端子に掛かったのが問題なのか、左側
の音が正常に出なくなりました。
ケーブル脱着式はケーブルが断線した場合は交換できますが、不
意にケーブルに衝撃を与えてしまうとジャック側が故障して接続
異常になる事もあると考えて下さい。
【ジャック交換の例】
今回はAudio TechnicaのATH-PRO5のジャック部分を交換し
ます。
↑のヘッドホンの純正ケーブルの接続端子は3.5π3極のステレオ
ミニプラグの根元がねじ式になっていて固定化する様になってい
るのですが、
ネジ式になっている分非純正のケーブルの場合根元が細目のケー
ブルではないと接続できず、非純正のケーブルを使用するとしっ
かり固定化できない為、ケーブルが突っ張ったりして衝撃が加わ
るとジャック側にダメージが出る事があります。
分解してジャックの端子を戻せばある程度治せますが、端子の歪
みが直し難く音が出にくくなったり、修正中に端子が折れてしま
った場合はジャック自体を交換しないと使えなくなります。
【修理に必要な道具】
精密ドライバー
ニッパー
ペンチ
ピンセット ホールドタイプ(基板固定用)
ハンダ小手
ハンダ
ハンダ吸い取り機(持っている場合)
フラックス(基板上の古いハンダが溶けにくい場合)
パーツクリーナー(フラックスを利用した場合)
ヘッドホン分解に精密ドライバーが必要なのと、ホールドタイプ
のピンセットはハンダ除去とハンダ付け時に基板を固定するのに
つかいます。
百円ショップのセリア等に100円で売っているので高い物を買う
必要はありません。
ジャックの取り換えにハンダ小手やハンダが必要で、古い物の場
合はフラックスが必要になる事もあります。
【ATH-PRO5でジャック交換】
ケーブルの接続感が悪くなり左側からの音がおかしくなったので
分解してジャックの端子の曲がりを修正しましたが、微妙に接触
不良になる事があったのと、一部端子が折れて固定が悪くなって
いたので、交換する事にしました。

ATH-PRO5は左側のイヤーパッドを外してドライバーユニットの
ネジ止めを外すとジャックのついた基板が見えます。
イヤーパッドは耳をあてる側の内側から外に伸ばす様に引っ張っ
て外します。

ドライバーユニットを外すとこんな感じですが、ATH-PRO5 MK
3の場合基板に3.5πスレテオミニジャックをハンダ付けしたシン
プルな構造をしています。

基板を取り外すとこんな感じ、音声を出すドライバーユニットと
の配線もシンプルで分かりやすくなっています。

但し、↑の画像の様に接続端子の配置が特殊なジャックを使って
いる事があるので、互換性のある3.5πステレオミニジャックを探
す必要があります。
探し始めは見つからなかったのでマルツで買えるジャックにユニ
バーサル基板を加工して自作するつもりでしたが、更に探したと
ころ、

互換性のあるMJ 2435 Cと言うジャックを見つけたので取り寄せ
ました。
後、このタイプのハンダ付けのパーツはハンダが除去しにくいの
で、ハンダ吸い取り機があるなら使った方が良いですね。
無い場合は、どうせ破棄するので元のジャックをペンチ等で挟ん
でプラを割り、端子を一本ずつハンダを溶かしながら抜いて下
さい。
全部抜いたら基板に残ったハンダを除去して取り換え準備は終わ
りです。

MJ 2435 Cを基板に接続してハンダ付けすればジャックの交換は
完了です。
【どうしても互換ジャックが手に入らない場合】
上記の機種の様なシンプルな構造の物な場合は以下の様なユニバ
ーサル基板、錫メッキ線(配線用)、3.5πステレオミニジャックを
購入し、
基板をペンチやリューターやピンバイス又はドリルで成形し、ジ
ャックを錫メッキ線でつないで自作して下さい。
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ELPA スズメッキ線 φ0.6mm HK-SM06H (2013/7/10) ELPA |
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因みにジャックの端子と左右のドライバーユニットとの接続は仕
様をよく確認して配線しないといけません。
必ずジャックのデータシートを確認して下さい。
例:GB-35J-3CWS-BMのデータシート

因みにデータシートの場合Left、Right、GNDではなく、T(Tip)、
R(Ring)、S(Sleeve)となっているので注意して下さい。
左右のドライバーユニットとの接続で、GNDは必ず接続して下さ
い、接触の状況で音量がかなり変わって来るので、必ず左右のGN
D配線を基板下で統合してジャックのSleeveに接続する必要があ
ります。
有線タイプでケーブル一体型の場合、軽く分解した上で断線部分
切断してハンダで接続、熱圧縮チューブで絶縁して修理できます
し、基板にゴテゴテいろんな電子パーツが付いている場合は互換
ジャックが必須ですが、上記の様なシンプル構造な物の場合比較
的簡単に修理が出来るので、
ある程度値の張るヘッドフォンを使用している場合は自力で修理
してみると良いかもしれません。
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| 良くあるトラブル | 16:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑