CPUの製造方とシリーズやモデルナンバーの関係について
【CPUの製造方とシリーズやモデルナンバーの関係について】
PCのCPUを見ると、Core iやPentium、Celeron等のシリーズ
や、モデルナンバーによりCPUが分けられている事に気が付くと
思いますますが、
今回はCPUの製造方を交えつつ、何故分かれているかについて書
きます。
(2013/11/20時点公開)
【CPUの製造方法について】
シリーズやモデルナンバーで分けられている事を説明する為には、
まずはCPUの製造方法を知る必要があります。
丁度参考になるサイトがありましたので、CPUの作り方(富士通)
を参照しながら読んで下さい。
【CPUの製造方法】
CPUは、シリコンを薄い円盤状に切り出したシリコンウエハ上に
回路図を焼き付ける事で製造しています。
ウエハ1枚に対して1CPUとして構成される回路図を可能な限り書
き込み、最後に1CPU毎に切り出して基板に結線する事でCPUと
して完成します。
【CPUの製造方法とシリーズやモデルナンバーの関係】
現在のCPUの回路と言うのは1ラインの細さがナノ(nm)単位にな
っており、非常に微細な回路になっています。
その為、ウエハを純度の高い均一結晶で製造した上に、焼付けの
時に阻害しない様に埃が略無いクリーンルームで製造する必要が
あるわけですが、
埃を100%除去する事は難しい上にウエハ自体が100%均一では
無い為、確実に同じ物が出来る訳ではなく、
同じシリコンウエハから切り出したCPUでも同じ品質の物が取れ
るとは限らないので、基準を設けて選別する必要が出てきます。
つまり同じ設計のCPUが選別の基準によってシリーズやモデルナ
ンバーで分けられている訳です。
【選別とシリーズ】
(クリックすると拡大)
(クリックすると拡大)
Intelで例えますが、Intelの場合は、Core数やGPUの回路によっ
て製造ラインが違っており、4Coreと2Core、更に4CoreでもR
付きのGPUが強化された物は別製造となっていますが、
同製造ライン上の物は全て同じ設計の物を選別しています。
例えば、4CoreのCore i7-7700KからT付、を含むCore i5-740
0まで、
2CoreのCore i3-7350からT付を含むPentium G4600Tまで、
2CoreでもGPUの性能が低いCore i3-7101EからT付を含むCele
ron G3930Tまで同じ物を選別したものです。
Core i、Pentium、Celeronとシリーズが分けられてはいますが、
基本的に中身は同じだと言う事です。
【選別の基準とは】
上記にある画像を見れば周波数やCPUキャッシュ量が違う事が分
かると思いますが、下記の基準によって選別されています。
【Coreの耐性】
特定の電圧を掛けた時に特定の周波数で、基準の速度で演算が正
確に出来るかで選別します。
また、同じ周波数でも低い電圧で基準の処理速度が出せる物を省
電力版(S付)として出したり、周波数や電圧を上げると一定以上性
能が向上する物をオーバークロックが出来る倍率非固定版(K付)と
して選別しています。
【CPUキャッシュ】
情報を正確に保存した上で、Coreに正確な情報を転送できるかで
選別しています。
正常に動作しない回路部をBIOSで不通にしたり物理的にカットし
ているので、選別落ちの下位になるほどキャッシュ量が減ってい
きます。
【GPU】
CPUと同様に周波数と電圧で選別もしますが、此方は正常に動作
するCore数でも選別しています。
また、GPU側に付属するQSV等の機能等でも選別しています。
【アーキテクチャ移行期にIntelのOC耐性が上がる理由】
倍率固定のCPUでOC出来なくなったHaswellでは無理ですが、Iv
y Bridge以前のCPUの場合、移行期になると変にOC耐性の高いC
eleronが発売される事がありました。
製造がこなれて来ていい物が出来ているとの振れ込みで紹介される
事が多かったのですが、実はそうではありません。
次世代設計の新CPUが製造発売されてそちらにシフトしてもしば
らくは平行して前世代のCPUを製造しているのですが、
当然として次世代CPUが発売されると前世代の上位のCPUは売れ
なくなり、下位のCPUばかり売れる様になります。
だから、製造しているCPUを全て下位のCPUとして機能制限して
販売する事になります。
つまり、本来Core i3として販売出来るものをCeleronとして販売
しているわけです。
元々上位のCPUとして販売出来る物なのだから、OCして周波数を
上げられるのは当たり前ですね。
Haswellでは出ないでしょうが、Ivyでは出る可能性があるので注
意しましょう。
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PCのCPUを見ると、Core iやPentium、Celeron等のシリーズ
や、モデルナンバーによりCPUが分けられている事に気が付くと
思いますますが、
今回はCPUの製造方を交えつつ、何故分かれているかについて書
きます。
(2013/11/20時点公開)
【CPUの製造方法について】
シリーズやモデルナンバーで分けられている事を説明する為には、
まずはCPUの製造方法を知る必要があります。
丁度参考になるサイトがありましたので、CPUの作り方(富士通)
を参照しながら読んで下さい。
【CPUの製造方法】
CPUは、シリコンを薄い円盤状に切り出したシリコンウエハ上に
回路図を焼き付ける事で製造しています。
ウエハ1枚に対して1CPUとして構成される回路図を可能な限り書
き込み、最後に1CPU毎に切り出して基板に結線する事でCPUと
して完成します。
【CPUの製造方法とシリーズやモデルナンバーの関係】
現在のCPUの回路と言うのは1ラインの細さがナノ(nm)単位にな
っており、非常に微細な回路になっています。
その為、ウエハを純度の高い均一結晶で製造した上に、焼付けの
時に阻害しない様に埃が略無いクリーンルームで製造する必要が
あるわけですが、
埃を100%除去する事は難しい上にウエハ自体が100%均一では
無い為、確実に同じ物が出来る訳ではなく、
同じシリコンウエハから切り出したCPUでも同じ品質の物が取れ
るとは限らないので、基準を設けて選別する必要が出てきます。
つまり同じ設計のCPUが選別の基準によってシリーズやモデルナ
ンバーで分けられている訳です。
【選別とシリーズ】


Intelで例えますが、Intelの場合は、Core数やGPUの回路によっ
て製造ラインが違っており、4Coreと2Core、更に4CoreでもR
付きのGPUが強化された物は別製造となっていますが、
同製造ライン上の物は全て同じ設計の物を選別しています。
例えば、4CoreのCore i7-7700KからT付、を含むCore i5-740
0まで、
2CoreのCore i3-7350からT付を含むPentium G4600Tまで、
2CoreでもGPUの性能が低いCore i3-7101EからT付を含むCele
ron G3930Tまで同じ物を選別したものです。
Core i、Pentium、Celeronとシリーズが分けられてはいますが、
基本的に中身は同じだと言う事です。
【選別の基準とは】
上記にある画像を見れば周波数やCPUキャッシュ量が違う事が分
かると思いますが、下記の基準によって選別されています。
【Coreの耐性】
特定の電圧を掛けた時に特定の周波数で、基準の速度で演算が正
確に出来るかで選別します。
また、同じ周波数でも低い電圧で基準の処理速度が出せる物を省
電力版(S付)として出したり、周波数や電圧を上げると一定以上性
能が向上する物をオーバークロックが出来る倍率非固定版(K付)と
して選別しています。
【CPUキャッシュ】
情報を正確に保存した上で、Coreに正確な情報を転送できるかで
選別しています。
正常に動作しない回路部をBIOSで不通にしたり物理的にカットし
ているので、選別落ちの下位になるほどキャッシュ量が減ってい
きます。
【GPU】
CPUと同様に周波数と電圧で選別もしますが、此方は正常に動作
するCore数でも選別しています。
また、GPU側に付属するQSV等の機能等でも選別しています。
【アーキテクチャ移行期にIntelのOC耐性が上がる理由】
倍率固定のCPUでOC出来なくなったHaswellでは無理ですが、Iv
y Bridge以前のCPUの場合、移行期になると変にOC耐性の高いC
eleronが発売される事がありました。
製造がこなれて来ていい物が出来ているとの振れ込みで紹介される
事が多かったのですが、実はそうではありません。
次世代設計の新CPUが製造発売されてそちらにシフトしてもしば
らくは平行して前世代のCPUを製造しているのですが、
当然として次世代CPUが発売されると前世代の上位のCPUは売れ
なくなり、下位のCPUばかり売れる様になります。
だから、製造しているCPUを全て下位のCPUとして機能制限して
販売する事になります。
つまり、本来Core i3として販売出来るものをCeleronとして販売
しているわけです。
元々上位のCPUとして販売出来る物なのだから、OCして周波数を
上げられるのは当たり前ですね。
Haswellでは出ないでしょうが、Ivyでは出る可能性があるので注
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